
新型コロナウィルスの感染拡大が深刻化する中ですが、ビジネスなどでタイに渡航する必要がある方もいるでしょう。
タイで感染してしまった場合、現地の病院で治療を受けるとなると心配になるのが医療費ですが、そのようなときに心強い味方となってくれるのか海外旅行保険です。
タイに安心して渡航できるように、現在のタイの状況や必要な海外旅行保険の補償内容などについて解説していきます。
タイにおける新型コロナウィルス感染状況

タイへの渡航を検討している方にとってまず心配なのが、タイでの新型コロナウィルスの感染状況でしょう。
外務省海外安全ホームページの情報によると、現在タイは「感染症危険レベル3」で渡航中止勧告が出されています(2021年5月18日現在)。
【参考:外務省海外安全ホームページ】
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_007.html#ad-image-0
バンコクでは、飲食店で店舗内での飲食禁止や20名以上での活動の禁止などの規制が設けられており、違反者には感染症法に基づき「1年以下の禁錮」または「10万バーツ以下の罰金」もしくはその両方が科されます。
タイにおいても依然として新型コロナウィルスの感染が拡大中だといえますので、タイへの入国前に最新の情報を確認してください。
タイに入国する際の条件
タイへ入国する方に対する防疫措置と隔離について、以下のような措置が取られています(2021年4月現在)。
- 「搭乗可能健康証明書(Fit to Fly Health Certificate)」が不要
- 日本からタイに入国する際の隔離期間が10日間以上に短縮
- ワクチンを接種した方の隔離期間は7日間以上
【参考】
https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=109617
タイへ入国する際には、これまで医療機関で発行される「搭乗可能健康証明書」が必要でしたが不要になりました。
また、タイ入国後の隔離機関も短縮され、原則10日間以上に、またワクチン接種済の場合は7日間以上となっています。
タイへ入国するには海外旅行保険への加入が必須

タイにおいても新型コロナウィルスの感染は拡大していますが、海外旅行保険では新型コロナウィルスに感染したときの医療費も補償されるのでしょうか。
10万米ドル以上の医療費補償の保険証書の提示が必要
飛行機に搭乗する際やタイに入国する際などに、新型コロナウィルスの陰性証明書(渡航前72時間以内)と合わせて、「新型コロナウィルス感染症を含む医療費を10万米ドル以上補償する保険証書の提示」が必要になります(2021年5月現在)。
タイ滞在中に新型コロナウィルスに感染した場合、医療費を海外旅行保険でカバーされる方のみが入国を認められるというわけです。
なお、今後の情勢によって対応が変更されることがありますので、タイへの入国前に必ず情報を確認してください。
新型コロナウィルスの感染も補償される
損保ジャパンや三井住友海上といった大手だけでなく、ネット保険などの各海外旅行保険では海外旅行保険の補償対象を拡大し、新型コロナウィルスに感染した場合も補償対象としています。
タイへ渡航する際に海外旅行保険に加入しておけば、仮に入国後に感染し病院にかかることになっても補償してもらえるので安心です。
クレジットカードの海外旅行保険は要確認
タイへ渡航する際の海外旅行保険を、クレジットカードに付帯されている補償を利用する方も多いと思いますが、新型コロナウィルスに感染した場合の医療費補償については、クレジットカード会社に直接確認することをおすすめします。
アメリカン・エキスプレス・カードやダイナースカードなどは公式サイトで「補償を拡大した」旨が掲載されていますが、すべてのクレジットカードで新型コロナウィルスへの対応が掲載されているわけではないので、確認したうえで活用してください。
海外旅行保険の補償内容

タイへ渡航するにあたって、新型コロナウィルスに対する備えはもちろん大切ですが、それ以外の病気やけが、盗難などの被害に遭うリスクに備えるため、海外旅行保険への加入が必要です。
そこで、海外旅行保険ではどのような補償を受けることができるのか、具体的に確認していきましょう。
治療費補償や死亡補償など
補償項目 | 補償内容 |
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傷害死亡・ 傷害後遺障害 |
渡航先での偶然な事故によるけがが原因で、 所定の期間内に死亡または後遺障害が生じた場合に保険金が支払われる |
疾病死亡 | 渡航先での病気が原因で、 所定の期間内に死亡した場合に保険金が支払われる |
治療費用 | 偶然な事故によるけがや病気で医師の治療を受けたときに保険金が支払われる |
救援費用 | 入院した場合などに家族が現地に向かうための交通費などを補償 |
海外旅行保険の治療費補償や死亡補償では、上記のような保険金が支払われますが、保険会社によって補償名が異なったり支払い条件が異なったりするため、契約前に確認してください。
他人や他人のものに損害を与えたときの補償
補償項目 | 補償内容 |
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賠償責任 | 偶然な事故により他人や他人のものに損害を与え、 法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる |
海外旅行保険の賠償責任は、タイ滞在中に、ご自身が偶然の事故で他人や他人の所有するものに損害を与えてしまい、損害賠償責任を負ったときに支払われるもので、一般的に補償金額を上限として実損分が支払われることが多いです。
携行品に対する補償
補償項目 | 補償内容 |
---|---|
携行品 損害 |
盗難・破損・火災などの偶然な事故により、 カメラやパスポートなどの携行品に損害が生じた場合に保険金が支払われる |
タイだけではなく海外では、日本に比べて治安が悪いところが多いため海外旅行保険への加入が必須です。
タイの中でもバンコクは比較的治安が良いとされていますが、それでも油断は禁物ですし、それ以外の地域では治安が悪いところが多いです。
航空便遅延などにおける補償
補償項目 | 補償内容 |
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航空機 寄託手荷物 |
手荷物の到着が遅れた場合に、 必要な身の回り品を購入した費用を補償 |
航空機 遅延費用 |
搭乗予定の飛行機が遅延したために臨時の宿泊費や食事代、 交通費などが必要になった場合の費用を補償 |
旅行 変更費用 |
保険会社が定める事由による出国を中止、 または途中で帰国した場合に保険金が支払われる |
海外旅行保険では、航空便のトラブルにより被保険者に損害が出た場合の補償もカバーしていますが、補償対象となるには各保険会社で定める条件を満たしていることが必要です。
医療事情について

海外旅行保険に加入するにあたり、現在のタイの医療事情がどのような状況にあるのかを知ることが大切です。
タイの医療水準や医療費について確認していきましょう。
タイの病院の医療水準
タイの中でも、地域によって病院の水準が異なりますが、主要都市の有名病院は公立私立を問わずに概ね高い水準を保っているといえます。
特にバンコクでは、有名な私立病院の医療水準はかなり高く、日本の病院と同レベルといっても過言ではありません。
そういった病院に勤務している医師や看護師の中には、日本の医学部を卒業していたり、日本の病院で研修を受けたりしたスタッフもいます。
また、日本人向けに日本語通訳ができるスタッフを常駐させる、専用窓口を設けるなどといった対応をしている病院もあるため、そのような病院の窓口に事前に連絡するとスムーズに診察を受けることができることもあります。
医療費は高額になることが多い
公立病院は、バンコクなどの主要都市では高い医療水準となっていますが、いわゆる地方の公立病院は混雑していて医療サービスの効率が悪いため、現地在住である程度の収入がある人は民間保険に加入し私立病院で診療を受ける人も少なくありません。
タイの私立病院の治療費は病院ごとに決められていますが、日本における治療費と同じくらいの費用がかかると考えておくと良いでしょう。
そのため、海外旅行保険などで万全な医療保障を付けておくことが大切です。
海外旅行保険の選び方とおすすめの商品

ではここで、タイに渡航する際の海外旅行保険の選び方とおすすめの海外旅行保険についてご紹介していきます。
海外旅行保険の選び方のポイント
タイに渡航する際の海外旅行保険は、以下のポイントをチェックしながら選ぶことをおすすめします。
- 滞在日数は3か月以内か
- クレジットカードの海外旅行保険との重複を避ける
- 補償されないケースや免責事項
- 十分なサポート体制があるか
海外旅行保険の多くは、滞在日数が3か月以内とされているため、タイにそれ以上滞在する場合は、対応しているほかの保険に加入する必要があります。
また、クレジットカードに付帯している海外旅行保険を活用する場合は、補償内容の重複が無いように詳しい補償内容を確認したうえで補償プランをたてましょう。
さらに、危険を伴うスポーツや内乱などが起きている地域に渡航する場合は補償対象外となる場合もあるので、免責事項についても注意が必要です。
ほかにも、タイから日本語で24時間365日の電話サポートが受けられるか、キャッシュレスで治療が受けられるかといったサービス内容もしっかり確認しましょう。
おすすめの海外旅行保険
タイへの渡航前に海外旅行保険に加入したいと思っていても、忙しくて旅行会社や保険会社に申し込み手続きに行けないという方もいるでしょう。
最近は、ネットで申し込みができる海外旅行保険が販売されていますので、その中でもおすすめのものをご紹介していきます。
東京海上日動インターネット契約サービス
東京海上日動インターネット契約サービスの「MARINE PASSPORT リスク細分型海外旅行保険」は、インターネット専用の海外旅行保険で、ネット完結で申し込めるため大変便利です。
日本で受付担当スタッフが24時間365日対応してくれるうえ、LINE無料通話での問い合わせも可能です。
AIG損保インターネット契約サービス
AIG損保の海外旅行保険は、お客さま満足度93.3%というサポート力を誇っており、「インフィニティプラン」ではけがや病気による治療・救援費用を無制限に補償してくれたり、手荷物や航空機などにおけるトラブルなどにも幅広く補償してくれたりします。
インターネット契約限定の特典もあるため要チェックです。
新・海外旅行保険オフ
損保ジャパンの「新・海外旅行保険オフ」は、顧客満足度90%で累計契約者数1,200万人突破という実績のある海外旅行保険です。
特長としては、インターネットからの申し込みで保険料が55%オフになったり、オーダーメイドプランで自由に保険設計ができたり、出発日当日での申し込みも可能といったことがあります。
タイへの渡航前に海外旅行保険の加入忘れに気づいても、当日申し込みができるのは助かりますね。
まとめ
タイへ渡航する際には、新型コロナウィルス対策だけでなく通常起こり得るけがや病気、トラブルに対応できる海外旅行保険に加入することが不可欠です。
海外旅行保険は、商品によって補償内容や補償項目、保険料などが異なりますので、ご自身が安心してタイに渡航できるような内容の補償を備えた海外旅行保険に加入することが大切です。
また、大使館からのタイにおける新型コロナウィルスの最新情報を参照し、必要に応じて海外旅行保険の補償内容を手厚くする必要もあるでしょう。