留学や海外出張・赴任などで長期間海外に滞在する場合、海外旅行保険への加入が欠かせません。海外での滞在をより安心なものにするために、万が一の場合の備えを考える必要があります。
一般的な短期間の海外旅行であれば、短期向けの海外旅行保険やクレジットカード付帯の海外旅行保険でカバーできますが、長期滞在の場合は補償期間や補償内容が不十分になってしまうため、長期専用の海外旅行保険に加入することがおすすめです。
今回は、長期の海外旅行保険とはどのようなものなのか、また選び方やおすすめの商品などを紹介していきます。
長期の海外旅行保険(3か月以上の滞在)とは
海外旅行保険には、観光などで海外に渡航するときなどに加入する短期の海外旅行保険と、留学や海外勤務、ボランティアなどで長期間滞在する場合に加入する長期の海外旅行保険があります。一般的に、3か月以上滞在する場合は長期の海外旅行保険への加入がおすすめです。
短期間渡航する場合ももちろん海外旅行保険への加入が必要ですが、3か月以上の長期間海外で滞在する場合は予期せぬ事故や病気などのトラブルが起きる可能性が高くなるため、海外旅行保険でしっかりと補償を付けることが大切です。
長期の海外旅行保険(3か月以上の滞在)は、滞在先で病気やケガをした際に支払う治療費や賠償責任などの保障をカバーしているので、慣れない土地での生活をサポートしてもらえます。
ただし、短期の海外旅行保険よりも保険期間が長期になるため保険料が高額になることも。そこで、保険会社によっては、フリープランで自由に保障を設計できるタイプの商品を取り扱っているところもあります。
長期の海外旅行保険の選び方
長期の海外旅行保険(3か月以上の滞在)を選ぶ際のポイントについて確認していきましょう。
長期の海外旅行保険の選び方1:滞在先の医療事情に合ったものを選ぶ
日本は公的医療制度が充実しているため、病院の窓口で支払う自己負担額は原則3割(年齢や収入によっては1~2割)に軽減されていますが、海外の医療費は高額になるケースが多いです。
たとえば、アメリカの医療費は日本と比較して大変高額で、特にニューヨーク市マンハッタンでの医療費は一般の初診料だけで150ドル~300ドル程かかり、入院する場合は室料だけで1日約2,000ドル~3,000ドル程もかかってしまいます。
【外務省:在ニューヨーク日本国総領事館】
https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/g/01.html
このように、医療費の相場については日本とは異なる国や地域が多いので、渡航先の医療事情についてよく調べて十分にカバーできる長期海外旅行保険(3か月以上の滞在)を選ぶと良いでしょう。
長期の海外旅行保険の選び方2:キャッシュレス治療サービスが利用できるか
長期の海外旅行保険(3か月以上の滞在)では、渡航先でかかった医療費も補償されますが、「キャッシュレス治療サービス」がついている商品であれば、現地で治療費などを自己負担することなく保険会社から病院へ直接支払ってもらえます。
ただし、一般的にはキャッシュレス治療サービスが適用されるのは保険会社で契約している病院だけなので、滞在先の近くにある病院がキャッシュレス治療サービスの対象となっているかあらかじめ確認する必要があります。
長期の海外旅行保険の選び方3:安い保険料ならフリープラン
長期の海外旅行保険(3か月以上の滞在)は、すべての補償がまんべんなく盛り込まれた商品もありますが、自分が必要とする補償を手厚くしたり、反対にあまり必要ではない補償を小さくしたりできる「フリープラン」もあります。
不要な補償をカットすることでムダのない補償内容となるうえ、安い保険料にすることも可能に。医療費の補償をもっと手厚くしたい人や、死亡保障は最小限にとどめたい人などにもおすすめです。
長期の海外旅行保険の選び方4:延長が可能な商品を選ぶ
留学や海外赴任などで海外に行く場合、状況によっては滞在期間が延長されることもあります。
長期の海外旅行保険(3か月以上の滞在)は、一般的に日本を出発する日から帰国する日までが保険期間となりますが、延長したい場合は満期日を迎える前に保険会社に延長の申し出を行います。
そのうえで、保険会社が審査を行い延長可能かどうかが決定されます。
しかし、プランによっては延長ができないタイプのものもあるため、契約する前に延長可能かどうかを確認することをおすすめします。
長期の海外旅行保険の選び方5:ネット保険が便利で保険料も格安
長期の海外旅行保険(3か月以上の滞在)に加入する方法には、保険会社の窓口や空港、旅行代理店の窓口といった方法がありますが、便利で保険料も格安なインターネットでの申し込みがおすすめです。
インターネットで申し込む長期海外旅行保険(3か月以上の滞在)は、いつでも申し込みができるうえ、人件費や事務所維持費などがかからないため格安保険料が可能となっています。
ただし、保険会社の担当者と相談しながら加入するわけではないため、ある程度保険の知識があることが求められます。とはいえ、わからないことはコールセンターで相談することもできるので、格安保険料にしたい人に向いている申し込み方法です。
おすすめの長期海外旅行保険
ではここから、おすすめの長期海外旅行保険(3か月以上の滞在)を紹介していきます。渡航先で安心した生活を送れるように各商品の補償内容を比較してみましょう。
損保ジャパン:海外旅行総合保険(3か月以上)
損保ジャパンでは「海外旅行総合保険(3か月以上)」という長期海外旅行保険を販売しています。留学や海外出張などのロングステイや世界一周旅行など長期間の海外生活における思わぬ事故や病気・ケガ、盗難などの被害に対する補償をつけることができます。
また、次のような加入者向けに充実したサービスがある点も見逃せません。
医療アシスタンスサービス
損保ジャパンの医療アシスタンスサービスは、次のような補償内容となっています。
- キャッシュレス治療が受けられる
- 24時間日本語で対応してくれる
- 病院予約、通訳の手配、かけ付ける家族のサポートも対応
損保ジャパンで契約している病院で、現金支払い不要のキャッシュレス治療が受けられるため、医療費を準備する必要がありません。また、24時間いつでも日本語で相談や質問に応えてくれるので海外生活の心強い味方となってくれます。
事故相談サービス
自分のものが盗難に遭ってしまった場合や、ほかの人のものを破損してしまい損害賠償をしなくてはならない場合など、トラブルに遭ったときは、事故相談サービスに相談すると日本語で対応してもらえます。
盗難に遭った場合の被害届の書き方や必要書類の準備方法などのアドバイスが受けられるので、スムーズに手続きをすすめられるでしょう。
東京海上日動:海外旅行保険・留学保険
東京海上日動では「海外旅行保険・留学保険(海外旅行保険長期セット)」という商品を販売しており、保険期間は32日以上最長2年まで契約することができます。留学やワーキングホリデー、ボランティア、長期出張、長期観光など幅広い渡航目的が対象です。
「安心セットプラン」、「補償選択プラン」、「シンプルセットプラン」、「治療・救援費用のみ補償プラン」の4タイプのプランがあり、補償内容や保険料などを比較して最適なものを選ぶことができます。
また、付保証明書(保険加入証明書)を8か国語(英語・フランス語・イタリア語・スペイン語・ドイツ語・中国語・韓国語・日本語)対応で無料で発行してくれるサービスも。
さらに、世界90都市以上の救急病院の手配が可能(2022年2月現在)なキャッシュレス・メディカル・サービスや、24時間日本語対応の東京海上日動海外総合サポートデスクも付いているため、万が一のときでも安心です。
申し込み・加入できないケース
次のようなケースでは、一般的に長期の海外旅行保険に加入することができないため、保険会社に確認してみましょう。
- 海外からの申込みの場合
- 現在、病気やケガなど健康上の問題がある場合
- 契約開始日時点で70歳以上の人 など
まとめ
90日(3か月)以上の長期間海外に滞在する場合は、長期の海外旅行保険への加入がおすすめです。滞在期間が長いほどトラブルに遭うリスクも高くなるうえ、海外は日本の場合とは事情が異なるため困惑してしまうことが考えられます。
しかし、長期の海外旅行保険へ加入して24時間日本語でのサポートを受けることができれば、海外での生活をより安心して過ごすことができるでしょう。
海外旅行保険を選ぶ際には、各商品の補償内容を比較検討し、できるだけ安い保険料で安心の補償が得られるものを選ぶと良いでしょう。