新型コロナウィルスの感染拡大に伴い世界各国で入国規制をしていましたが、現在は規制が大幅に緩和され、多くの国が海外からの渡航者を受け入れるようになりました。タイも同様に規制を解いて観光客を歓迎しています。
とはいえ、コロナ禍が終息したわけではありません。万一タイ旅行中に感染してしまった場合、最も心配になるのが医療費。そんなときに心強い味方となってくれるのが海外旅行保険です。
「微笑みの国」といわれるタイ旅行を満喫できるよう、現在の感染状況や必要な海外旅行保険の補償内容などについて解説していきます。
タイにおける新型コロナウィルス感染状況
タイへの渡航を検討している方にとって気になるのが、現地での新型コロナウィルス感染状況でしょう。外務省では、安全対策の目安として各国のコロナ感染症の危険情報を4つのカテゴリーで示しています。
- レベル4:滞在地から退避してください(退避勧告)
- レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)
- レベル2:不要不急の渡航は止めてください
- レベル1:十分注意してください
この最新情報によると、タイは2021年は「レベル3」でしたが、2022年10月には「レベル1」に引き下げられ、2023年もタイのごく一部を除きレベル1を維持しています(2023年3月31日現在)。
【参考:外務省海外安全ホームページ】
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_007.html#ad-image-0
タイへ入国する際に必要な書類は?
入国規制が厳しかったころはタイに入国する際に提示を義務づけられていたものが、2023年現在では義務が廃止されました。
義務が廃止されたもの
★タイ国籍を持たない渡航者はワクチン接種証明書や非感染証明書を提示しなければなりませんでしたが、その必要がありません。
★タイに入国する際は新型コロナウィルス感染症を含む医療費を10万ドル以上補償する「英文医療保険証」の提示が義務付けられていましたが、現在は必要ありません。
★日本からタイに入国する際の隔離期間が10日間以上、また、ワクチンを接種した方の隔離期間は7日間以上とされていましたが、そうした隔離措置もすでに廃止されています。
タイに入国する際に必要な書類
通常の海外旅行と同じ下記の3点です
- パスポート
- 航空券
- 渡航目的に応じてビザ(観光目的で滞在日数45日以内ならビザは不要)
【参考:在東京タイ王国大使館】
https://site.thaiembassy.jp/jp/news/announcement/10866/
日本ではまだ証明書が必要です
タイでは証明書の提示は不要になりましたが、日本においては出国するときも入国(帰国)するときも、「出国前検査証明書」または「有効なワクチン接種証明書」を検疫所に提示しなければなりません。
どちらも所持していない場合は、出国・入国する際に航空機への搭乗を拒否されます。
出国前検査証明書は「出国前72時間以内のもの」と限定されていますから、出発日の3日前から当日までの間に医療機関で検査を受ける必要があります。
【参考:厚生労働省】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html
海外旅行保険ではコロナ感染症も補償される?
タイなど海外に行くときは予想外の病気やケガ、盗難などのアクシデントに備えるために海外旅行保険に加入するのが一般的です。
現在は、ほとんどの保険会社が海外旅行保険の補償項目に新型コロナウィルス感染症も加えているため、現地で感染して帰国してから発症したという場合も治療費などを補償してもらえます。
海外旅行保険の基本的な補償内容
ここで、海外旅行保険ではどのような補償を受けることができるのか、損保ジャパンの新・海外旅行保険【off(オフ )】を例に海外旅行保険の基本的な補償内容を確認していきましょう。
注:海外旅行保険の「保険期間」とは海外旅行のために自宅を出発してから旅行を終えて帰宅するまでの期間を指し、「責任期間」ともいいます。
【自分自身の病気・ケガに対する補償】補償項目 | 補償内容 |
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傷害死亡・ 傷害後遺障害 |
渡航先での偶然な事故によるケガが原因で、 事故に遭った日から180日以内に死亡した場合。 事故に遭った日から180日以内に後遺障害が発生した場合は、障害の程度に応じて保険金が支払われる。 |
疾病死亡 | 保険期間中に発病して死亡した場合。または保険期間中に発病し、保険期間終了後72時間(3日)以内に死亡した場合。 ※新型コロナウィルについては、保険期間中に感染し、保険期間終了後30日以内に死亡した場合に保険金が支払われる。 |
治療費用 | 偶然な事故によるケガや病気で医師の治療を受けたときに保険金が支払われる。 ※新型コロナウィルスは、保険期間中に感染し、保険期間終了後30日以内に医師の治療を開始した場合に補償の対象となる。 |
救援費用 | “渡航先で3日以上入院した場合に家族が現地に向かうための交通費や宿泊費などを補償。遭難した場合は捜索・救助に要した費用または日本の病院へ移送する費用。現地で死亡してしまった場合の遺体処理費用および日本への遺体輸送費用も補償対象となる。※新型コロナウィルスに感染して、現地で亡くなった場合も同様の費用が補償される。” |
海外旅行保険の治療費補償や死亡補償では、上記のような保険金が支払われますが、保険会社によって補償名が異なったり支払い条件が異なったりするため、契約前に確認してください。
【他人や他人のものに損害を与えたときの補償】補償項目 | 補償内容 |
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賠償責任 | 偶発的な事故により他人や他人のものに損害を与え、 法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる。 |
海外旅行保険の賠償責任は、タイ滞在中に自分が他人を傷つけてしまったり、他人の所有物に損害を壊してしまったりして法律上の損害賠償責任を負ったときに補償されるもの。金額は補償金額を上限として実損分が支払われるのが通例です。
【携行品に対する補償】補償項目 | 補償内容 |
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携行品 損害 |
盗難・破損・火災などの事故により、 カメラやパスポートなどの携行品に損害が生じた場合に保険金が支払われる |
タイに限らず海外では、日本に比較して治安が悪いところが多く、盗難や置き引きなどに遭いやすいため海外旅行保険の携行品の補償は不可欠といえます。
タイの首都バンコクは比較的治安が良いとされていますが、それでも油断は禁物ですし、それ以外の地域では治安が悪いところが少なくないようです。
【航空便遅延などにおける補償】補償項目 | 補償内容 |
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航空機 寄託手荷物 |
手荷物の到着が遅れた場合に、 必要な身の回り品を購入した費用を補償 |
航空機 遅延費用 |
搭乗予定の飛行機が遅延したために臨時の宿泊費や食事代、 交通費などが必要になった場合の費用を補償 |
海外旅行保険では、航空便のトラブルにより被保険者に損害が出た場合の補償もカバーしています。ただし、補償対象となるには各保険会社で定める条件を満たしていることが必要です。
タイの医療事情について
海外旅行保険に加入するにあたり、現在のタイの医療事情がどのような状況にあるのかを知ることが大切です。
タイの医療水準や医療費について確認しておきましょう。
タイの病院の医療水準
タイの中でも地域によって病院の水準が異なりますが、都市部の有名病院は公立私立を問わずに概ね高い水準を保っているといえます。
特にバンコクでは、有名な私立病院の医療水準はかなり高く、日本の病院と同レベルといっても過言ではありません。
そのような病院に勤務している医師や看護師の中には、日本の医学部を卒業していたり、日本の病院で研修を受けたりしたスタッフもいます。また、日本人向けに日本語通訳ができるスタッフを常駐させている病院もあります。
医療費は高額になることが多い
タイの都市部の公立病院は高い医療水準となっていますが、地方の公立病院は混雑していて医療サービスの効率が悪いのが実情です。
そのため、現地在住である程度の収入がある人は民間保険に加入して私立病院で診療を受けるケースも少なくありません。
タイの私立病院の治療費は病院ごとに決められていますが、日本における治療費と同じくらいの費用がかかると考えておくとよいでしょう。そのため、海外旅行保険などで万全な医療費補償を付けておくことが大切です。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は要チェック
タイへ渡航する際は、クレジットカードに付帯している海外旅行保険を利用する方も多いと思います。しかし、新型コロナウィルスに感染した場合の医療費補償については、クレジットカード会社によって対応がまちまちです。
アメリカン・エキスプレス・カードやダイナースカードなどは公式サイトで「補償を拡大した」旨を掲載していますが、すべてのクレジットカード会社が掲載しているわけではないので、上記以外のクレジットカードについては出発する前に電話などで確認しておくようにしましょう。
海外旅行保険の選ぶときのポイント
海外旅行保険を選ぶ際のチェックポイントとして挙げられるのは、下記の2点です。
医療アシスタンスサービスは充実しているか
大手保険会社の海外旅行保険では、24時間365日、日本語対応で次のような医療アシスタンスサービスを提供しています。
★緊急医療相談:急病やケガで診療が必要になった場合、医療機関の紹介・予約をしてくれます。治療中に通訳が必要なときは、電話による医療通訳も行います。3日以上入院する場合に、救援者(家族など)に連絡して諸手配をするのもこのアシスタンスサービスの一環です。
★キャッシュレス・メディカル・サービス:現地で治療を受けた場合は、いったん自分で治療費を立て替えて、帰国後に保険会社に請求するのが基本です。海外旅行保険のキャッシュレス・メディカル・サービスは、保険会社と提携している病院で治療を受ければ、保険会社から病院へ直接治療費が支払われるので、現金を持っていなくても治療を受けられる仕組みになっています。
海外旅行保険の免責事項も確認する
保険会社には、損害が発生しても特定の事由によるものは保険金の支払い義務を負わないという規定があります。
これを「免責事項」といい、危険を伴うスポーツをするために渡航して現地でケガをした場合などは、海外旅行保険に加入していても補償対象外とされたり、免責金額(受け取る保険金から一定額を差し引いた金額)になる場合があります。
また、内乱が起きている国へ渡航する場合は補償対象外とされることがあります。そうした規定についても保険会社によって異なるため、海外旅行保険に加入する前に確認することが必要です。
簡単で保険料の割引が大きいネット加入の海外旅行保険がおすすめ
タイへの渡航前に海外旅行保険に加入したいと思っていても、忙しくて旅行会社や保険会社に申し込み手続きに行けないという方もいるでしょう。
最近は、ネットで申し込みができる海外旅行保険を販売する保険会社が増えているので、その中でもおすすめの商品を紹介します。
損保ジャパンの「新・海外旅行保険【off】」
損保ジャパンの「新・海外旅行保険【off】」は、顧客満足度90%で累計契約者数1,200万人突破という実績のある海外旅行保険です。
特長は、必要な補償だけを選べるオーダーメイドの保険設計ができる点です。たとえば、クレジットカード付帯の海外旅行保険と併用する場合は、クレジットカードでは病気で亡くなったときの「疾病死亡」は補償されません。
それに対して「新・海外旅行保険【off】」では「疾病死亡」が2,000万円補償されますから、【off】の「疾病死亡」をクレジットカードに上乗せする形で補えば安心です。
この他、インターネットからの申し込みで保険料が55%オフ(割引) になったり、出発当日でもネットで申し込みも可能という特長もあります。
タイへの渡航直前に海外旅行保険の加入忘れに気づいたとしても、当日申し込みができるので忙しい人にとって特に便利な保険です。
なお、【off】の保険期間は観光でも留学でも最長92日間まで、オーダーメイドプランは個人契約の場合だけとなっています。
東京海上日動「MARINE PASSPORT」
東京海上日動インターネット契約サービスの「MARINE PASSPORT (リスク細分型海外旅行保険)」は、インターネット専用の海外旅行保険で、ネット完結で申し込めるため手間がかかりません。LINE無料通話での問い合わせも可能です。
東京海上日動メディカルサービスに常駐している現役救急医や看護師、臨床心理士が、24時間365日体制で電話による医療相談に応じているのが特長です。このサービスは海外に滞在中に限られ、帰国後は利用することができません。
AIG損保インターネット契約サービス
AIG損保の海外旅行保険は、お客さま満足度93.3%というサポート力を誇っており、「インフィニティプラン」ではケガや病気による治療・救援費用の補償は無制限というのが特長です。仮に治療費が1千万円かかっても補償してもらえます。
保険期間31日までのプランは、「既往症・持病」を補償する特約が自動でセットされているので、持病がある方も加入が可能です。
まとめ
タイに限らず海外旅行をする際は、新型コロナウィルス対策はもちろん、通常起こり得るケガや病気、トラブルに対応できる海外旅行保険に加入することが不可欠です。
美味しい食事が多いタイの場合は、旅行者下痢症や腸チフスなどにかかりやすいといわれます。
海外旅行保険の補償内容は保険会社によって大きく異なり、支払う保険料にも差がありますから、複数の保険会社の海外旅行保険を比較して自分に最適なプランを選ぶことが大切です。
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