慣れない海外の地では、トラブルが起こった際に対応するのに苦労します。特に海外旅行の際は、体調不良やケガをした際に病院にかかったり、自分の荷物を紛失・盗難にあったりと、突然のトラブルが発生する可能性があります。
そういったトラブルに備えるには、海外旅行保険が必要です。
しかし、旅行にかかる費用は抑えたいとお思いの方は、「たった数日の旅行のために、海外旅行保険に加入する必要があるのか?」と考えることもあるのではないでしょうか。
そこで当記事では、海外旅行保険の必要性や、検討すべき補償内容を解説。
海外旅行保険の加入について悩んでいる方は、当記事を参考に海外旅行保険の必要性について考えてみてください。
海外旅行保険の必要性とは
海外旅行に行く場合には、旅先でトラブルが発生するリスクに備える必要があります。
しかし、「以前海外に旅行した際には旅先でも特に問題は起こらなかった」という方も多く、わざわざ海外旅行保険に加入する必要性について疑問を持つ人も少なくありません。
では、実際に海外旅行でトラブルが発生する確率はどれくらいあるのでしょうか。
海外旅行中にトラブルが発生する確率
2018年度のジェイアイ傷害火災保険の調査によると、旅行中に海外旅行保険で補償が適用されるようなトラブルが発生した割合は、3.7%と発表されています。
つまり約27人のうち1人にトラブルが発生したということですが、数字だけを見ると低い割合のようにも見えるでしょう。
しかし、その3%の確率で発生するトラブルによって、非常に高額な費用が必要になることがあるのです。
次に、実際に海外旅行で発生するトラブル例と、対応に必要となる費用について見ていきましょう。
参考:ジェイアイ傷害火災保険株式会社 2018年度調査 https://www.jihoken.co.jp/jinews/uploads/2019/07/jikodatakai.pdf
海外旅行中によく起こるトラブル例
2018年度のジェイアイ傷害火災保険の調査によると、海外旅行保険が適用されるトラブルとして多く挙げられたのは、下記の3つです。
- 治療・救援費用 (46.4%)
- 携行品損害 (26.9%)
- 旅行事故緊急費用(23.0%)
特に治療・救援費用については、発生したトラブルのうち半分程度を占める割合に。
治療・救援費用は、突然の体調不良や持病の悪化、事故によるケガなどで、海外の病院で治療を受けた際に発生する費用を指します。
海外の治療費・医療費については、日本の健康保険や民間の医療保険・傷害保険では対応しきれないところもあり、非常に高額な費用がかかってしまうことも少なくありません。
実際に海外旅行保険で保険金が支払われた例が下記になります。
ジェイアイ傷害火災保険の調査 2014年度
国 | 内容 | 支払い保険金 |
アメリカ | 空港到着後、呼吸困難を訴え救急車で搬送される。 肺塞栓症・肺炎・肺結核と診断され、49日間の入院・手術が必要に。家族が駆けつける。 |
9,335万円 |
イタリア | 横断歩道を歩行中に転倒して膝を強打し、看護師が付き添い医療搬送。 膝蓋骨骨折と診断され、8日間入院が必要に。家族が駆けつける。 |
477万円 |
ハワイ | 早朝ランニング中に意識を失い、救急車で搬送。 てんかんの疑いと診断され、3日間の入院が必要に。 |
302万円 |
国 | 内容 | 支払い 保険金 |
アメリカ | 空港到着後、呼吸困難を訴え救急車で搬送される。肺塞栓症・肺炎・肺結核と診断され、 49日間の入院・手術が必要に。家族が駆けつける。 | 9,335万円 |
イタリア | 横断歩道を歩行中に転倒して膝を強打し、看護師が付き添い医療搬送。膝蓋骨骨折と診断され、 8日間入院が必要に。家族が駆けつける。 | 477万円 |
ハワイ | 早朝ランニング中に意識を失い、救急車で搬送。てんかんの疑いと診断され、 3日間の入院が必要に。 | 302万円 |
ジェイアイ傷害火災保険の調査 2018年度
国 | 内容 | 支払い保険金 |
ハワイ | ホテルの部屋で意識を失い、救急車で搬送。心筋梗塞と診断され、19日間の入院・手術が必要に。 家族が駆けつける。また、看護師が付き添い医療搬送。 |
3,052万円 |
香港 | 風邪の症状で受診し、数日後全身の痛みのため救急車で搬送。 敗血症性ショックと診断され、19日間の入院が必要に。 家族が駆けつける。また、医師が付き添い医療搬送。 |
2,617万円 |
スペイン | 歩行中に段差につまづき、救急車で搬送。大腿骨頚部骨折と診断され、5日間入院・手術が必要に。 家族が駆けつける。また、看護師が付き添い医療搬送。 |
455万円 |
国 | 内容 | 支払い 保険金 |
ハワイ | ホテルの部屋で意識を失い、救急車で搬送。心筋梗塞と診断され、19日間の入院・手術が必要に。家族が駆けつける。また、看護師が付き添い医療搬送。 | 3,052万円 |
香港 | 風邪の症状で受診し、数日後全身の痛みのため救急車で搬送。敗血症性ショックと診断され、19日間の入院が必要に。家族が駆けつける。また、医師が付き添い医療搬送。 | 2,617万円 |
スペイン | 歩行中に段差につまづき、救急車で搬送。大腿骨頚部骨折と診断され、5 日間入院・手術が必要に。家族が駆けつける。また、看護師が付き添い医療搬送。 | 455万円 |
このように、病状によっては数千万円もの保険金が支払われています。もし海外旅行保険に加入していなかったら、何百万円、何千万円という金額が自己負担になってしまいます。
そういったリスクを考えると、たとえ3%の確率とはいえ海外旅行保険に加入する必要性があることをお分かりいただけるのではないでしょうか。
参考:ジェイアイ傷害火災保険株式会社 2018年度調査 https://www.jihoken.co.jp/jinews/uploads/2019/07/jikodatakai.pdf
2014年度調査 https://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00001&news_no=2083
海外旅行保険で得られる補償内容
ここからは、海外旅行保険に加入した場合、万が一の際にどういった補償がおりるのかを解説します。
海外旅行保険の一般的な補償内容は、下記の5つが挙げられます。
疾病・傷害治療に対する補償
海外旅行中に発生した偶発的な事故によるケガや、病気が原因で治療が必要になった場合に保険金が支払われます。
疾病・傷害死亡に対する補償
海外旅行中に発生した偶発的な事故によるケガや病気が原因で死亡した場合に、保険金が支払われます。
救援費用に対する補償
海外旅行中に発生した偶発的な事故によるケガや病気が原因で、死亡もしくは3日以上連続して入院した場合などに、家族が現地に向かう場合の移動交通費等の費用が補償されます。
携行品損害に対する補償
海外旅行中に発生した盗難・破損・火災などの偶然な事故により、被保険者の携行品などに損害が生じた場合に保険金が支払われます。
損害賠償責任請求に対する補償
海外旅行中に発生した偶発的な事故によって他人の身体や財物に損害を与え、被保険者が法律上の損害賠償責任を負った場合、保険金が支払われます。
海外旅行では、自分が負う損害だけでなく、相手に損害を与えてしまった場合の損害賠償責任に対しても備えておく必要があります。
土産店の商品を壊してしまった、空港で他人にスーツケースをぶつけてケガをさせてしまったなど、第三者へ損害を与えるリスクは意外と多いものです。
海外旅行保険では、こういった点も含めて補償を得ることができます。
こんな場面でも役立つ。海外旅行保険が対応できる具体例
海外旅行保険に加入していると、補償だけでなくトラブル時の様々なサポートを受けることができます。
ここでは、当社NCIが取り扱っている海外旅行保険のサポートや、お役立ていただけるケースをご紹介します。
海外旅行保険が対応できるケース
旅行中に具合が悪くなり、近くの病院へ行ったけれど、
日本語が通じない!
24時間365日、日本人スタッフがお電話でサポートいたします。
病院へかかったが、高額な請求が来た。
海外旅行保険によっては、渡航先でかかった病気以外にも、保険期間によっては既往症にも対応可能なものもあります。
また、海外旅行保険では保険会社の提携病院をご紹介することで、キャッシュレスによる治療が受けられる場合もございます。
手荷物を盗難され、財布が無くなった!カードも無い。。
事故相談サービスをご提供している海外旅行保険なら、24時間365日日本語オペレータにご相談いただけます。
盗難届の方法や、必要書類などもアドバイスいたします。
パスポートを紛失してしまった!再発行の必要がある。
領事館、大使館の所在地、連絡先をご案内いたします。再発行に必要な手続きについてもサポート致します。
渡航先でトラブルにあった!言葉が通じないため、通訳が必要。
お電話にて通訳対応する海外旅行保険もございます。数十か国の言語にも対応いたします。
ホテルの部屋で湯船にお湯を張っていたのを忘れてしまい、
階下に水漏れをした
賠償責任補償にてご対応いたします。
ショッピング中、品物を棚から落としてしまった!
こちらも賠償責任補償でご対応いたします。
通訳サービス等と併用していただくことにより、よりご安心していただけます。
日本から持ってきたデジカメを落として壊してしまった。
携行品損害で補償いたします。
※ 修理代金または時価額のどちらか低いほうのお支払いとなります。
免責金額(自己負担金)設定がある場合がございます。
台風により帰国するための飛行機が遅延し、搭乗できなかったため延泊が必要になった。
宿泊施設の客室料、食事代、国際電話通信費などの、延泊に必要な費用について補償がございます。
渡航先で入院してしまった!現地に家族を呼ぶ必要がある。
海外旅行保険の救援者費用にてご対応可能です。
救援者費用は、その他遭難時における捜索、救助が必要な際にも補償可能です。
※サービスのご利用には条件がある場合がございます。
※サービス内容は変更、中止となる場合がございます。
クレジットカード付帯の保険では不十分?
海外旅行保険は、みなさんがお持ちのクレジットカードにも付帯されていることが多いです。
そのため、クレジットカードさえ持っていけばわざわざ保険代理店の海外旅行保険に加入する必要はないと思っている方もいらっしゃるでしょう。
確かにクレジットカード付帯の海外旅行保険は便利ですが、実は保険代理店で加入する海外旅行保険と比べて補償が十分でない場合もあります。
海外旅行保険が付帯されている主要なクレジットカードについて、補償内容を見てみましょう。
AMEX | JCB一般 | イオンカード (ゴールド) |
楽天カード | 楽天 プレミアムカード |
エポスカード(VISA) | |
傷害死亡 / 後遺障害 |
5,000万円 | 3,000万円 | 5,000万円 | 2,000万円 | 5,000万円 | 500万円 |
傷害治療費用 | 100万円 | 100万円 | 300万円 | 200万円 | 300万円 | 200万円 |
疾病治療費用 | 100万円 | 100万円 | 300万円 | 200万円 | 300万円 | 270万円 |
賠償責任 | 3,000万円 | 2,000万円 | 3,000万円 | 2,000万円 | 3,000万円 | 2,000万円 |
携行品損害 | 1旅行中につき30万円まで(免責3,000円) | 1旅行中につき20万円まで(免責3,000円) | 年間限度額30万円限度(免責3,000円) | 1個につき10万円限度(免責3,000円) | 1個につき50万円限度(免責3,000円) | 1個につき10万円 |
救援者費用 | 200万円 | 100万円限度 | 200万円 | 200万円 | 200万円 | 100万円 |
利用条件 | あり | あり | あり | あり | 一部あり | 自動付帯 |
AMEX
- 傷害死亡 / 後遺障害
- 5,000万円
- 傷害治療費用
- 100万円
- 疾病治療費用
- 100万円
- 賠償責任
- 3,000万円
- 携行品損害
- 1旅行中につき30万円まで(免責3,000円)
- 救援者費用
- 200万円
- 利用条件
- あり
JCB一般
- 傷害死亡 / 後遺障害
- 3,000万円
- 傷害治療費用
- 100万円
- 疾病治療費用
- 100万円
- 賠償責任
- 2,000万円
- 携行品損害
- 1旅行中につき20万円まで(免責3,000円)
- 救援者費用
- 100万円限度
- 利用条件
- あり
イオンカード(ゴールド)
- 傷害死亡 / 後遺障害
- 5,000万円
- 傷害治療費用
- 300万円
- 疾病治療費用
- 300万円
- 賠償責任
- 3,000万円
- 携行品損害
- 年間限度額30万円限度(免責3,000円)
- 救援者費用
- 200万円
- 利用条件
- あり
楽天カード
- 傷害死亡 / 後遺障害
- 2,000万円
- 傷害治療費用
- 200万円
- 疾病治療費用
- 200万円
- 賠償責任
- 2,000万円
- 携行品損害
- 1個につき10万円限度(免責3,000円)
- 救援者費用
- 200万円
- 利用条件
- あり
楽天プレミアムカード
- 傷害死亡 / 後遺障害
- 5,000万円
- 傷害治療費用
- 300万円
- 疾病治療費用
- 300万円
- 賠償責任
- 3,000万円
- 携行品損害
- 1個につき50万円限度(免責3,000円)
- 救援者費用
- 200万円
- 利用条件
- 一部あり
エポスカード(VISA)
- 傷害死亡 / 後遺障害
- 500万円
- 傷害治療費用
- 200万円
- 疾病治療費用
- 270万円
- 賠償責任
- 2,000万円
- 携行品損害
- 1個につき10万円
- 救援者費用
- 100万円
- 利用条件
- 自動付帯
※ 利用条件は、公共交通機関を当該クレジットカードにて決済することが必要です。
※ 上記補償内容は変更となる場合もあります。最新状況についての詳細はクレジットカード会社へご確認ください。
以上の表のように、クレジットカード付帯の海外旅行保険では疾病治療費用については高くても300万円が限度。
先述した通り、海外旅行中のケガや病気が原因で海外の病院にかかった場合、治療費は数百万円から数千円にのぼることも。これを踏まえると、100万~300万円程度の保険金限度額では多少心もとないでしょう。
そういった場合には、別途新たな海外旅行保険に加入する必要があります。
海外旅行保険の利用条件に注意が必要
また、クレジットカード付帯の海外旅行保険の注意点として、海外旅行保険を利用するには、出国する前に家から空港までの交通費としてクレジットカードを利用する必要があるなどの条件が設定されていることがあります。
これを知らずにただクレジットカードを持っていっても意味が無いので、事前にカード付帯の海外旅行保険の利用条件についてよく確認しておくことが重要です。
どのくらいの補償額が必要?
先程、クレジットカード付帯の海外旅行保険だけでは保険金額の上限が心もとない可能性があるとお話しました。では、海外旅行保険の補償額はいくら必要なのでしょうか?
補償金額の上限をしっかり考えるべき項目は、特に費用が高額になりがちな疾病・傷害治療に対する補償です。
治療費が高額になるケースは病気になって長期入院する場合が多いため、体力に心配のある高齢者の方や持病をお持ちの方は入念に準備をする必要があるでしょう。
念をいれるのであれば、500万円~1,000万円程度、もしくは無制限に設定しておくこともおすすめです。
当社NCIでは、各お客様のニーズに合わせてオーダーメイドの海外旅行保険を設計することも可能です。
治療費に関する補償を特に手厚くしたい、保険料とのバランスを考えて最適な海外旅行保険を設計してほしいなど、ご要望がありましたらお気軽にお問い合わせください。
まとめ:海外旅行の安心のためには保険が必要
今回は、海外旅行保険の必要性について解説してきました。
海外でトラブルが発生する確率は3%程度とはいえ、万が一のことが起こった際には1,000万円を超える費用がかかることもあります。
そういった状況に備え、安心を与えてくれるのが海外旅行保険です。
クレジットカード付帯の海外旅行保険もありますが、必要な補償が十分備わっていない場合もあるため、補償内容をよく確認して足りない部分は新たに海外旅行保険に加入して補うことをおすすめします。
旅行前に必要な補償や保険金額を十分に検討して、安心して旅行ができるようにしてください。