海外に行けば気候風土や生活習慣が違うだけでなく、日本の常識やルールが通らないところもあります。
いつ感染症などにかかるかわかりませんし、どこで事故を起こして加害者になってしまうかわかりません。
「健康には自信がある」「自分は慎重派だから大丈夫」と過信しないで、海外旅行保険に加入してから出発するようにしましょう。
ここでは、安い保険料で手厚い補償が受けられる学生向けの海外旅行保険の選び方と、おすすめの保険プランをご紹介しています。
学生に多い旅費優先による無保険渡航のリスク
学生の場合は自由に使えるお金が少ないだけに、航空券はLCC(格安航空)を利用し、宿泊施設もリーズナブルなホテルを探す人が多いようです。
海外旅行保険への加入をすすめられても、「自分は大丈夫。保険料を払うならその分、飲食代などに回したい」と考える人がいます。
そんな格安旅行も学生時代ならではの楽しみ方です。しかし、海外旅行は常に危険と隣り合わせであることを認識する必要があります。
とくに気をつけたいのは病気やケガと第三者とのトラブルです。いずれも海外旅行保険に加入していれば補償されるのですが、無保険の場合は下記のような多大なリスクを負うことがあるからです。
高額な治療費により十分な医療サービスが受けられない
海外の医療費は日本より高額なところが多く、なかでもニューヨークは世界一高いといわれます。
たとえば、腕の骨折で入院手術をした場合、入院1日で150万円もかかります。1週間も入院すれば1千万円を超えてしまいます。
クレジットカードを持っていても、一般的なクレジットカードに付帯している海外旅行保険は、治療費の補償金額は上限が300万円です。学生専用ライフカードの場合は上限が200万円ですから、仮に治療費が1千万円とすると残り800万円は自己負担しなければなりません。
MEMO クレカ付帯の海外旅行保険には「自動付帯」と「利用付帯」がある
●自動付帯:加入すれば無条件で自動的に海外旅行保険が適用されるクレジットカード。
●利用付帯:旅費や交通費の一部をそのカードで決済することで海外旅行保険が適用されるという条件つきのクレジットカード。
ステータスの高いJCBゴールドカードや三井住友ゴールドカード、学生専用ライフカードなどは自動付帯。一般のJCBカードや三井住友カード、楽天カードなどは利用付帯です。自分の持っているカードはどのタイプか確認しておくことが大切です。
国によっては、海外旅行保険に加入している、あるいは高額な決済ができるゴールド以上のクレジットカードを持っているなど、治療費の支払い能力を証明するものがない旅行者に対しては診察そのものを拒否し、医療設備も整わない福祉施設などに送るところもあります。
チェコやポーランド、ハンガリー、リトアニアといった国々では海外旅行保険への加入が義務づけられていて、無保険の外国人は学生に限らずビジネスマンでも入国を拒否されることがあるといいます。
そのようなわけで医療サービスを受けることができず、旅行を切り上げて日本に帰り、健康保険を使って治療を受けるというケースも学生の中には少なくありません。
現地トラブルによる高額な損害賠償金が払えない
海外旅行中に誤って他人にケガをさせたり、第三者の物を壊したりして、法律上の賠償責任を負った場合は損害賠償金を支払わなければなりません。第三者の物には、ホテルの備品やショップの商品、レンタル旅行用品(スーツケースやWi Fiルーターなど)が含まれます。
学生が賠償責任を負った実例をあげると、ホテルのバスタブのお湯を溢れさせ、階下の部屋の天井に水が浸みてしまったため、ホテル側から30万円の損害賠償を求められたケースがあります。学生ではありませんが、高級なホテルで水漏れ事故を起こして1千万円もの損害賠償を請求されたケースも。
2例とも海外旅行保険に加入していたので全額保険金が支払われています(損保ジャパンの事故実例より)。
以上のようなことから海外に行くときは学生でも海外旅行保険は必需品であり、「治療費」と「賠償責任」の2つはとくに重要な補償項目であることをおわかりいただけるでしょう。
あると便利な海外旅行保険のサポート内容
海外旅行保険に加入していると費用の補償だけでなく、次のようなサポートサービス(アシスタントサービス)も受けることができます。
旅行先から電話で相談できる「24時間日本語サポートサービス」
損保会社は世界各地に日本語サポートセンターを設置し、海外旅行保険の加入者に対して24時間、365日いつでも通話料無料で電話相談に応じています。ただし、日本と国交のある国に限られます。
パスポートを紛失したときは再発行の手続きの仕方を、クレジットカードをなくしたときはカード会社への使用停止手続きの仕方を教えてくれます。ホテルや交通機関、航空機の手配、病気やケガをしたときの医療機関の手配も依頼すれば応じてもらえます。
医療費の自己負担額ゼロ円の「キャッシュレス治療サービス」
前述したように海外の医療費は高額です。ほとんどの損保会社では、万一急病になったときでも安心して治療を受けられるように「海外旅行保険キャッシュレス治療サービス」を提供しています。
これは、損保会社と提携している現地の病院で治療を受けた場合に、治療費を損保会社から病院へ直接支払うシステムで、本人は現金やクレジットカードを持たなくても治療を受けることができます。
損保会社によっては「治療費用無制限プラン」を用意しているところもあり(チャブ海外旅行保険など)、その場合は治療費がたとえ5千万円かかったとしても自己負担はゼロ円です。
家族の渡航費も補償してくれる「救援者費用」
旅行中に病気やケガで3日以上入院することになり、救援者(家族・親族)が現地に駆けつける際の渡航費と宿泊費、現地での交通費や通信費が補償されるものです。救援者は3名まで、宿泊日数は最大14日間が一般的です。
症状が重かったり現地に適切な医療機関がないため日本への緊急搬送が必要になった場合は、チャーター機や付き添う医師と看護師の費用も補償されます。
旅行中に遭難したときの捜索・救助費用、不幸にして死亡した場合の遺体処理費用と日本への移送費用も救援者費用の対象となります。
修理代が無料になる「携行品キャッシュレス・リペアサービス」
旅行先でカメラやノートパソコン、スーツケースなどの携行品を壊してしまったとき、海外旅行保険の「携行品損害補償」が適用されると、修理代が補償限度額(10万~30万円)内であれば無料になります。
学生にもよくある事例としてスーツケースの破損があります。帰国後に損保会社に連絡すると、損保会社指定の修理業者がスーツケースを引き取りに来て、修理したものを届けてくれるので、自分で修理に出す手間も費用もかかりません(新・海外旅行保険【Off!】など)。
海外留学するときも保険加入が必要?
海外に長期滞在する留学には、観光目的の旅行とは違うリスクが伴います。病気・ケガの治療費や損害賠償に対する補償はもちろん必要ですが、アパートを借りて住む場合は盗難や火災などに対する備えも必要です。
留学保険はそうしたリスクにも対応できるよう、一般の海外旅行保険に次のような補償が付加されています(参考:AIG損保)。
●留学生賠償責任 アパートの自室から失火してしまった、水漏れ事故を起こしてしまったなど、家主に対して法律上の賠償責任を負ったときに保険金が支払われます。
●留学生生活用動産 留守中に空き巣に入られ、家電や時計を盗まれたなど、身の回り品(生活用動産)に損害が生じたときに保険金が支払われます。
このほか、留学中に家族が危篤状態に陥って帰国しなければならないときなどに、その費用を損失とみなして保険金を支払う「緊急一時帰国費用担保特約」や、親が亡くなって留学を続けるのが困難になった学生に、継続するための費用を支払う「留学継続費用担保特約」を用意している損保会社もあります(損保ジャパンなど)。
支払い保険料は留学期間と保険金額に応じて決められており、3か月間では約6万円、6か月間では約13万円、1年間では約25万円となっています。
クレジットカード自動付帯の海外旅行保険を利用すれば保険料を節約できると思われがちですが、クレジットカードは滞在期間が3か月までと限定されており、また補償範囲も異なるため、クレカ付帯の海外旅行保険を留学保険として利用することはできないことになっています。
滞在期間が3か月以上になる場合は損保会社の留学保険に加入する必要があります。
なお、留学先によっては海外旅行保険に加入することが入学条件になっていたり、学生ビザで留学する場合は、指定の海外旅行保険に加入することを義務づけているところもあるので、事前によく確認することが大切です。
学生におすすめの海外旅行保険ランキング
海外旅行保険の選び方は、「行き先」「目的」「人数」に合ったプランを探すことがポイントです。ここでは、学生のうちに訪れてみたい国としても人気の高いフランスへの一人旅を例に、おすすめ海外旅行保険トップ3を紹介します。補償内容、補償金額を比較して無駄のないプランを選ぶようにしましょう。
下記の海外旅行保険は申し込みがインターネット専用商品です。申し込みは出発当日でもOK。店舗のテナント料や人件費がかからない分、保険料が店頭価格より大幅に安く設定されている点も学生におすすめの理由です。
学生向けオススメ海外旅行保険の料金比較
損保会社 | 損保ジャパン | あいおいニッセイ同和損保 | chubb損害保険 |
---|---|---|---|
プラン名 | 新・海外旅行保険【Off!】 | eとらべる海外旅行保険 | チャブ海外旅行保険 |
傷害死亡 | 1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 |
傷害後遺障害 | 1,000万円 | 1,000万円 | |
疾病死亡 | 1,000万円 | 1,000万円 | 500万円 |
治療費用 | 1,000万円 | 1,000万円 | 無制限 |
救援者費用 | 1,000万円 | ||
賠償責任 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
携行品損害 | 30万円 | 30万円 | 10万円 |
航空機寄託手荷物遅延 | 10万円 | 10万円 | ── |
弁護士費用 | ── | 100万円 | ── |
テロ対応費用 | ── | 10万円 | ── |
事故による緊急費用 | ── | ── | 5万円 |
保険料(ネット申込) | 2,570円 | 2,360円 | 4,820円 |
<1位>新・海外旅行保険【Off!(オフ)】
大学生協では「学生の無保険渡航者ゼロ」を目指し、海外旅行をするときは必ず保険に加入するよう呼びかけており、数ある海外旅行保険の中からこの「新・海外旅行保険【Off!】」を推奨しています。
「新・海外旅行保険Off!」のメリットは、自分に必要な補償を選んで組み合わせることができることです。たとえば、窃盗やひったくりが多いエリアに行くときは、携行品損害の補償を手厚くしてあまり必要なさそうな救援者費用は低く抑えるというように、オーダーメイドプランを設計できるので無駄がありません。
<2位>eとらべる海外旅行保険
eとらべる海外旅行保険の特徴は、弁護士費用とテロ対応費用が付帯していること。
弁護士費用とは、偶発的な事故で損害を被り、弁護士を立てて損害賠償を請求することになったときに、「損害賠償請求費用保険金(上限100万円)」と「法律相談費用保険金(上限10万円)」の両方が支払われるものです。
一方のテロ対策費用は、搭乗している交通機関がテロ行為によって遅延し、目的地に予定通り行けなかった場合に交通費や国際電話料金などが補償されます(上限10万円)。テロ行為は中東やアフリカだけでなく、現在は世界のあちこちで多発しています。
学生に人気のフランスやイギリスもテロが発生しやすい国として外務省も注意を促していますから、不安な人には「eとらべる海外旅行保険」がおすすめです。
<3位>チャブ海外旅行保険
最初に24時間日本語サービスなど緊急時のアシスタンスサービスを開始したのが外資系のchubb損害保険です。
チャブ海外旅行保険の最大メリットは治療費補償が充実している点。治療・救援費用が無制限ですから、万一大けがをして高度の手術を受けることになったとしても全額補償してもらえるので治療費の心配はありません。
また、一般の海外旅行保険では補償の対象外とされる持病(旅行前に発病し、医師の治療を受けたことのある病気)もチャブ海外旅行保険は対象となるので、現地で急に悪化した場合も自己負担なしで治療を受けることができます。ただし、虫歯や妊娠・出産に起因する病気は補償対象外とされています。
【まとめ】海外旅行保険について質問がある場合はNCIへお気軽にご相談を
クレジットカードは18歳未満の子供名義では加入できませんが、最近は18歳からでも加入できる(高校生は除く)学生向けのクレジットカードが登場し、卒業旅行などにもクレカ付帯の海外旅行保険を利用する学生が多くなっています。
ここでは紹介できませんでしたが、クレカ付帯の海外旅行保険で補償されない分を損保会社の海外旅行保険でカバーする「クレカ上乗せプラン」があり、学生にも人気が高まっています。
学生用クレジットカードを保有していて、保険料をできるだけ安く抑えて補償を厚くしたいという方は、株式会社NCI(エヌシーアイ)にお気軽にお問い合わせください。
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